カールフィッシャー法とは(1)式のように水と選択的に、且つ定量的に反応するカールフィッシャー試薬 (ヨウ素、二酸化硫黄、塩基、及びアルコール等の溶剤より構成)を用いて水分を測定する方法です。

I2+SO2+3Base+ROH+H2O ⇒ 2Base+HI+Base+HSO4R ······ (1)

この方法には次のように電量滴定法と容量滴定法があります。

電量滴定法

図1 電量滴定装置の電解セルヨウ化物イオン、二酸化硫黄、塩基及びアルコール等の溶剤を主成分とする電解液に試料を加えて電解酸化をしますと(2)式のようにヨウ素が発生し、ただちにカールフィッシャー反応が起きます。 2I” – 2e ⇒ I2 ······(2)

ヨウ素は「ファラデーの法則」にもとづき、電気量に比例して生成されますから、電解酸化に要した電気量からただちに水分量が求められます。

水 1mg=10.71クーロン

電量滴定法は図1に示した電解セルの陽極側に入れる陽極液と陰極側に入れる陰極液の2種類を必要とします。 電量滴定法は標定の必要がなく、また陽極液は繰り返して使用することができる利点があります。

容量滴定法

図2 容量滴定装置滴定フラスコに試料に適した脱水溶剤を入れておき、滴定剤で無水状態にしてから試料を加えます。
あらかじめ力価 (mg/ml) を標定しておいた滴定剤を用いて滴定を行い、その滴定量(mL)から試料中の水分量を求めます。
終点検出法には定電流分極電位差法を採用しています。
図2に市販されている代表的な自動容量滴定装置の概要を示します。